賊は中村係長にとらえられそうになったとき、まず人形をのせた風船の綱を切っておいて、すばやくこの屋根裏部屋へ姿をかくしたのですが、なにしろ、あんなやみ夜のことですから、ものなれた中村係長にも、そこまで見やぶることはできなかったのです。
人々は、ただもう、黒い風船に気をとられてしまいました。
空中へ逃げだすなんて、いかにも二十面相らしい、はなやかな思いつきですから、まさか、それがうそだろうとは、考えもおよばなかったのです。
賊は中村係長にとらえられそうになったとき、まず人形をのせた風船の綱を切っておいて、すばやくこの屋根裏部屋へ姿をかくしたのですが、なにしろ、あんなやみ夜のことですから、ものなれた中村係長にも、そこまで見やぶることはできなかったのです。
人々は、ただもう、黒い風船に気をとられてしまいました。
空中へ逃げだすなんて、いかにも二十面相らしい、はなやかな思いつきですから、まさか、それがうそだろうとは、考えもおよばなかったのです。