部下の男は、二十面相を送って、寝室の外まで来ましたが、中からドアがしまっても、そこのうす暗い廊下に、長いあいだたたずんで、何か考えていました。
やや五分ほども、そうしてじっとしていますと、つかれきった二十面相は、服も着かえないでベッドにころがったものとみえ、もうかすかないびきの音が聞こえてきました。
それを聞きますと、ひげむじゃの部下は、なぜかニヤニヤと笑いながら、寝室の前を立ちさりましたが、ふたたび玄関に引きかえし、入り口のドアの外へ出て、向こうの林のしげみへ向かって、右手を二三度大きくふりうごかしました。