以前の巣くつは、国立博物館事件のとき、明智探偵のために発見され、ぬすみあつめた宝物を、すっかりうばいかえされてしまいましたが、それからのち、二十面相は、また、おびただしい美術品をぬすみためて、この新しいかくれがの地下室に、秘密の宝庫をこしらえていたのです。
そこは二十畳敷きぐらいの広さで、地下室とは思われぬほど、りっぱな飾りつけをした部屋です。
四ほうの壁には、日本画の掛け軸や、大小さまざまの西洋画の額などが、ところせましとかけてありますし、その下にはガラスばりの台がズッとならんでいて、目もまばゆい貴金属、宝石類の小美術品が陳列してあります。