泰二君は老人の立ちさるのを待って、その場所へいき、何を書いたのかと、地面のアスファルトの上をながめましたが、そこには直径八センチほどの丸の中に、十字が書いてあって、その十字の一本の棒のはしに矢のしるしがついているのです。
年よりのくせに、こんなみょうないたずら書きをするなんて、あのおじいさん、気でもちがっているのかしらと、向こうへ遠ざかっていく、そのうしろ姿を見ますと、どうしたというのでしょう、向こうのまがりかどで、老人がまたうずくまっているではありませんか。
そして、まえと同じように、地面へ何か書いているのです。