それによっても、何者かが泰二君を連れさったことはあきらかですが、泰二君は蛭田博士邸でおそろしいめにあったことを、おかあさまにもうちあけなかったものですから、その靴あとのぬしが何者であるか、だれにもまったく見当さえつきませんでした。
翌日のお昼すぎには、泰二君のおとうさまが、電報の通知を受けとって、とるものもとりあえず、関西の出張先から、特急こだまでお帰りになる、おとうさまの会社では緊急幹部会議をひらいて、重要書類紛失の善後策をこうじる。
この犯人捜索には、警視庁管下の全警察をあげてあたるという、ものものしい大事件になってしまいました。