うすばかのようなみょうな顔はしていますけれど、よく見れば、そのギョロリとした両眼には、人の心の奥を見とおすようなするどい光があって、なんとなく、ひとくせありそうな人物です。
相川氏は、相手のようすを見、ことばを聞いているうちに、だんだんこの怪人物を、むげに追いかえすようなこともできないような気持ちになってきました。
「殿村さん、もしそれがほんとうでしたら、わたしたちは喜んであなたのお力をおかりしたいんですが、しかし、会社としては、明智探偵にいっさいをまかせる約束になっていますので、明智さんにむだんであなたに事件を依頼することはできません。