小林君がさけびますと、その声が深い穴に反響して、ガーン、ガーンとひびきましたが、すると、穴の底に向けている懐中電灯の光の中へ、下のやみの中から、何かしら黒い大きなものが、ひじょうな早さで、スーッとうきあがるようにあらわれてきました。
懐中電灯の弱い光では、とっさに何ものともわかりませんでしたが、何かネズミ色のフワフワしたようなもので、それがみるみる形を大きくしながら、スーッととびあがってきたかと思うと、のぞきこんでいた小林君や羽柴君の目の前を、おそろしい勢いでかすめ通り、向こうのやみの中へ、矢のように消えていってしまいました。
羽柴君は、この不意うちにめんくらって、「ワーッ。