というのは、その塔の時計の部分が、一晩のうちに盗みさられてしまったからです。
ある風のはげしい夜でした。
その日は若夫婦がとまりがけで用たしに出かけ、家には七十をこした老主人と、年とったばあやと、女中の三人だけで、早くから戸じまりをして寝てしまったのですが、朝起きて見ると、時計塔の四方にある白い文字盤がみんななくなって、中の機械もからっぽになっていることがわかったのです。
というのは、その塔の時計の部分が、一晩のうちに盗みさられてしまったからです。
ある風のはげしい夜でした。
その日は若夫婦がとまりがけで用たしに出かけ、家には七十をこした老主人と、年とったばあやと、女中の三人だけで、早くから戸じまりをして寝てしまったのですが、朝起きて見ると、時計塔の四方にある白い文字盤がみんななくなって、中の機械もからっぽになっていることがわかったのです。