それから三十分もたたないうちに、こんどは昌一君と平林太一君とが、怪物にぶつかってしまったのです。
手塚家は非常に広い建物ですから、曲がり曲がった長い廊下がほうぼうにあるのですが、その中でも一番陰気なのは、たんすなんかならべてある納戸の前の廊下で、一方は窓のないかべ、一方は納戸の障子、その障子の中の部屋は六畳ぐらいで、三方ともかべになっているのですから、昼間でもうす暗い場所です。
昌一君と太一君とが、そこを通りかかった時、納戸の障子が一本だけひらいていたので、ふと中を見ますと、そこに大きな人間の形をしたものが立っていました。