中村係長とふたりの警官と書生、それから、ほとんど元気をとりもどした手塚さん、平林さんもいっしょになって、蔵のすみからすみまでさがしまわりました。
蔵の中には着物などを入れた大きな箱や、たんすや、そのほかの道具類がズラッとならんでいるのですが、それらを一つ一つひらいて中をしらべ、そのうしろのかべをしらべ、床板をしらべ、人間ひとりかくれられそうな個所は、残るところなく見てまわったうえ、かべと床と天井とを全体にわたって念入りにしらべましたが、どこにも怪人の姿は見えません。
また秘密の抜け道などは、まったくないことがわかりました。