紳士はそう言って、またカラカラと笑いましたが、天野君は『ふしぎの国のアリス』を読んだことがあるので、いっそう、この魔法博士のうちが、見たくてたまらなくなりました。
黄金のように光るかみの毛、みょうな口ひげ、コウモリのような黒マント、そして、空気の中から、バットやミットを取りだして見せた、このふしぎな紳士、八幡さまの森の向こうに見えている、コケのはえた赤レンガの煙突、それだけでも、ここはふつうの世界ではなくて、いつのまにか、童話の国にかわっているのではないかと思われ、なんだか夢を見ているような気持ちになるのでした。
「ぼく、おじさんのうち見たいなあ。