千代田区の明智探偵事務所の奥まった一室で、ベッドに横になったままの明智探偵と、助手の小林少年とが、何か熱心に話しあっていました。
明智探偵は、ながいあいだ病気で寝ていましたが、きょうはすこし気分がいいと言うので、ひさしぶりで、小林君をベッドのそばへ呼んだのです。
小林君はいままで、先生の病気にさわってはいけないと思って、事件のことは何も言わないのですが、きょうは、先生のほうからたずねられたのと、それに、どうしてもほうっておけないようなおそろしいことが、新しく、おこっていましたので、魔法博士の一件を、すっかり先生にお話しました。