四十面相は、思わず、目をふさいで、タジタジと、あとじさりをしましたが、気をとりなおして、目をひらき、煙の中をすかして見ますと、部屋のむこうのすみに、小林少年がしばられたまま、たおれているのが、かすかに見えました。
四十面相は、ハンカチで、口と鼻をおおい、勇気をふるって部屋の中へ、とびこんでいきました。
そのとき、かれと、いれちがいに、ひとりの小さな人間が、スーッと部屋から出て、入り口の板戸をしめ、そとから、錠をおろしてしまったのを、すこしも知りません(その錠は、かぎがなくてもしまる南京錠でした)。