きこりは、夢にも見たこともない、ふしぎな、巨大なもののおそろしさに、気もてんとうして、そのまま逃げかえろうとしましたが、やっと、おもいかえして、遠くの方から、大木のかげに身をかくし、しばらく、ようすを見ていたといいます。
夕刊には、きこり松下君の写真が、大きく出ていましたが、四十歳ぐらいの、顔じゅうに、ぶしょうひげをはやした、目も鼻も口も大きい、いかにも豪胆そうな男でした。
この山男のようなきこりが、気をうしなうほど驚いたというのですから、いかにおそろしいできごとだったか、そうぞうがつくではありませんか。