山村君に、おうちへ帰るように、ささやいておいて、じぶんはひとりで怪物のほうへ、用心しながら、ジリジリと近づいていきました。
山村少年は、そんなさいにも、おかあさんの病気のことはわすれなかったので、そのまま、よろめきながら、おうちへ帰りましたが、下のお菓子屋さんの人に、怪物のことをはなしたので、たちまち、さわぎが大きくなりました。
深夜の銀座に、カブトムシの怪物があらわれたことが、となりから、となりへとつたわり、くっきょうな男の人たちが、手に手に、こん棒などを持って、家の外へとびだしてきたのです。