不思議なものである。
母も死ぬ三日前に愛想をつかした――おやじも年中持て余している――町内では乱暴者の悪太郎と爪弾きをする――このおれを無暗に珍重してくれた。
おれは到底人に好かれる性でないとあきらめていたから、他人から木の端のように取り扱われるのは何とも思わない、かえってこの清のようにちやほやしてくれるのを不審に考えた。
不思議なものである。
母も死ぬ三日前に愛想をつかした――おやじも年中持て余している――町内では乱暴者の悪太郎と爪弾きをする――このおれを無暗に珍重してくれた。
おれは到底人に好かれる性でないとあきらめていたから、他人から木の端のように取り扱われるのは何とも思わない、かえってこの清のようにちやほやしてくれるのを不審に考えた。