世田谷区に住んでいる、中学二年生の宮田賢吉という少年が、ある夜、友だちのところからおうちへ帰るのに、近みちをして、神社の森の中を歩いていました。
外は、夜になるとだれも通らないさびしい道で、ふつうの子どもでしたら、こわくて、とても近みちなどできないのですが、宮田賢吉君は、少年探偵団の団員でしたから、暗い森の中をひとりで歩くのが、かえっておもしろいくらいでした。
神社の森は、たいへん広くて、大きな木が立ちならび、その枝が空をおおって、ひるまでもうす暗いほどですから、夜は星も見えない、まっ暗やみです。