お話かわって、東京と大阪に店をもっている日本でも一流の大宝石商、株式会社宝玉堂の大阪の店から、二十三個のダイヤモンドを、東京の店へ、もっていかなければならないことがおこりました。
一つ五百万円もする大きなダイヤも、まじっていて、二十三個で五千万円という値うちのものですから、途中でなくしたり、盗まれたりしては、たいへんです。
そこで大阪の店の支店長次席の野村という人が、じぶんで持っていくことにしたのですが、いろいろな事情で、飛行機の時間にまにあわなくなり、といって、一日のばすわけにはいきませんので、しかたなく、夜の特急列車に乗りこみました。