山嵐は約束通りおれの下宿へ寄った。
おれはこの間から、うらなり君の顔を見る度に気の毒でたまらなかったが、いよいよ送別の今日となったら、何だか憐れっぽくって、出来る事なら、おれが代りに行ってやりたい様な気がしだした。
それで送別会の席上で、大いに演説でもしてその行を盛にしてやりたいと思うのだが、おれのべらんめえ調子じゃ、到底物にならないから、大きな声を出す山嵐を雇って、一番赤シャツの荒肝を挫いでやろうと考え付いたから、わざわざ山嵐を呼んだのである。
山嵐は約束通りおれの下宿へ寄った。
おれはこの間から、うらなり君の顔を見る度に気の毒でたまらなかったが、いよいよ送別の今日となったら、何だか憐れっぽくって、出来る事なら、おれが代りに行ってやりたい様な気がしだした。
それで送別会の席上で、大いに演説でもしてその行を盛にしてやりたいと思うのだが、おれのべらんめえ調子じゃ、到底物にならないから、大きな声を出す山嵐を雇って、一番赤シャツの荒肝を挫いでやろうと考え付いたから、わざわざ山嵐を呼んだのである。