余は毎月刊行の雑誌に掲載される凡ての小説とはいわないつもりであるが、その大部分、即ち或る水平以上に達したる作物に対してはこの保護金なり奨励金なりを平等に割り宛て、当分原稿料の不足を補うようにしたら可かろうと思う。
固より各人に割り宛てれば僅かなものに違ないけれども、一つの短篇について、三十円乃至五十円位な賞与を受ける事が出来たなら、賞与に伴う名誉などはどうでも可いとして、実際の生活上に多少の便宜はある事と信ぜられるからである。
こうすれば雑誌の編輯者とか購買者とかにはまるで影響を及ぼさずに、ただ雑誌を飾る作家だけが寛容ぐ利益のある事だから、一雑誌に載る小説の数がむやみに殖える気遣はない。