また、この道具の針金はこんなに細くて、黒く塗ってあるのですし、章太郎君の寝ていたベッドとは、直角の方向から入れたので、横から見るのと違って、少しも気づかれる心配はなかったのです。
この道具を二メートルも伸ばして花びんを持ち上げれば、針金がしないますが、あの花びんは、窓のすぐ近くに置いてあったので、半分の一メートルも伸ばさないですんだのです。
タバコが宙に浮いたのも、やっぱりこの道具を使ったのですが、そのときは、先の細い金物を取りつけ、それに細いゴム管をつたわらせ、そのゴム管の先を、巻きタバコの口へさしこんでおいたのです。