他に累を及ぼさざるものが厳として存在していると云う事すら自覚しないで、真の世界だ、真の世界だと騒ぎ廻るのは、交通便利の世だ、交通便利の世だと、鈴をふり立てて、電車が自分勝手な道路を、むちゃくちゃに駆けるようなものである。
電車に乗らなければ動かないと云うほどな電車贔屓の人なら、それで満足かも知れぬが、あるいたり、ただの車へ乗ったり、自転車を用いたりするもののためには不都合この上もない事と存じます。
もっとも文芸と云うものは鑑賞の上においても、創作の上においても、多少の抽出法を含むものであります。