光子さんが、お金がなくて、バスに乗れないので、思案にくれて、たちどまっていますと、その人形紳士は、なにげなく、光子さんをおいこして、歩いていきましたが、そのとき、ポケットから銀貨をとりだして、そっと地面におとし、そのまま、むこうのかどをまがりました。
かどをまがったかとおもうと、そこにたちどまって、へいのかどから、目ばかり出して、そっと光子さんのほうを、のぞいているのです。
光子さんは、立ちどまっていても、しかたがないので、うなだれたまま、歩きだしましたが、目が地面にそそがれているので、すこし歩くと、さっき人形紳士がおとしていった銀貨をみつけました。