たとえば一線の引き方でも、(その一線だけでは画は成立せぬにも関わらず)勢いがあって画家の意志に対する理想を示す事もできますし、曲り具合が美に対する理想をあらわす事もできますし、または明暸で太い細いの関係が明かで知的な意味も含んでおりましょうし、あるいは婉約の情、温厚な感を蓄える事もありましょう。
(知、情の理想が比較的顕著でないのは性質上やむをえません)こうなると線と点だけが理想を含むようになります。
ちょうど金石文字や法帖と同じ事で、書を見ると人格がわかるなどと云う議論は全くこれから出るのであろうと考えられます。