このお話では、ポケット小僧は、はじめて出てきましたが、ほかの事件では、たいへん活躍している、有名な小僧なのです。
十二歳ですが、見たところ六つぐらいの大きさで、ポケットにはいるほど小さいというので、ポケット小僧と呼ばれているのです。
ポケット小僧は、今晩、銀座に用事があって、その帰りに、新橋の大通りを通りかかったとき、玉宝堂の事件がおこったので、集まってきた人たちにまじって、ようすを見ていたのですが、みんなが帰ってしまっても、ポケット小僧だけは帰らないで、ごみ箱のかげにかくれて、じっとしんぼうづよく、マンホールを見はっていたのです。