夜ふけのことですから、あまり自動車も通っていないので、安心して走っていきますと、向こうから、一台の黒い自動車がやってきて、こちらのよけるほうへ向かってくるので、とうとう、正面から衝突してしまいました。
いそいで、ブレーキをかけたので、車がこわれるほどではなく、けが人もありませんでしたが、衝突のひょうしに、箱形の自動車のうしろのドアが開いて、そのそばに腰かけていた怪老人が、いきなり、逃げだしたではありませんか。
怪老人は魔法使いみたいなやつで、ゆだんがならないので、この老人だけは、手錠をかけたうえに、からだを、ほそびきでしばって、そのはじを、ひとりの刑事がにぎっていたのです。