私は電気のことはよく知らないのですが、どうかして空中電気の作用とかで、避雷針の針金に強い電流が流れることがあると、どこかで聞いたのを覚えていて、さてはそれだなと気附きました。
こんな事に出くわしたのは初めてだったものですから、珍らしいことに思って、私は暫らくそこに立止ってその針金を眺めていたものです。
すると、そこへ、西洋館の横手から、兵隊ごっこかなにかして遊んでいるらしい子供の一団が、ガヤガヤ云いながら出て来ましたが、その中の六ツか七つの小さな男の子が、外の子供達はさっさと向うへ行って了ったのに、一人あとに残って、何をするのかと見ていますと、今の避雷針の針金の手前の小高くなった所に立って、前をまくると、立小便を始めました。