ただ子供の死骸に取縋って泣入っている母親に鄭重な悔みの言葉を残して、その場を立去りさえすればよいのでした。
これもある夏のことでした。
私はこの男を一つ犠牲にしてやろうと目ざしていたある友人、と云っても決してその男に恨みがあった訳ではなく、長年の間無二の親友としてつき合っていた程の友達なのですが、私には却って、そういう仲のいい友達などを、何にも云わないで、ニコニコしながら、アッという間に死骸にして見たいという異常な望みがあったのです。
ただ子供の死骸に取縋って泣入っている母親に鄭重な悔みの言葉を残して、その場を立去りさえすればよいのでした。
これもある夏のことでした。
私はこの男を一つ犠牲にしてやろうと目ざしていたある友人、と云っても決してその男に恨みがあった訳ではなく、長年の間無二の親友としてつき合っていた程の友達なのですが、私には却って、そういう仲のいい友達などを、何にも云わないで、ニコニコしながら、アッという間に死骸にして見たいという異常な望みがあったのです。