私は最初の瞬間から、それが給仕女の両手に捧げられた、我々の飲物を運ぶ大きな銀盆であることを知っていた。
でも、不思議にも万象を夢幻化しないでは置かぬこの「赤い部屋」の空気は、その世の常の銀盆を、何かサロメ劇の古井戸の中から奴隷がヌッとつき出す所の、あの予言者の生首の載せられた銀盆の様にも幻想せしめるのであった。
そして、銀盆が垂絹から出切って了うと、その後から、青竜刀の様な幅の広い、ギラギラしたダンビラが、ニョイと出て来るのではないかとさえ思われるのであった。
私は最初の瞬間から、それが給仕女の両手に捧げられた、我々の飲物を運ぶ大きな銀盆であることを知っていた。
でも、不思議にも万象を夢幻化しないでは置かぬこの「赤い部屋」の空気は、その世の常の銀盆を、何かサロメ劇の古井戸の中から奴隷がヌッとつき出す所の、あの予言者の生首の載せられた銀盆の様にも幻想せしめるのであった。
そして、銀盆が垂絹から出切って了うと、その後から、青竜刀の様な幅の広い、ギラギラしたダンビラが、ニョイと出て来るのではないかとさえ思われるのであった。