私はこの寄書と同様の内容を有する書面を、富田博士審問の任に当られる予審判事――氏迄呈出した。
多分それ丈で十分だとは思うが、万一、同氏の誤解或はその他の理由によって、一介の書生に過ぎない私のこの陳述が、暗中に葬り去られた場合を慮って、且又、有力なる其筋の刑事によって証明せられた事実を裏切る私の陳述が、仮令採用せられたとしても、事後に於て我が尊敬する、富田博士の冤罪を、世間に周知せしめる程明瞭に、当局の手によって発表せられるかどうかを慮って、茲に輿論を喚起する目的の為に、この一文を寄せる次第である。
私は博士に対して何等の恩怨を有するものでない、唯だ、その著書を通して博士の頭脳を尊敬している一人に過ぎない。