そうして、友人の家との二三町の間を二回往復すると、もう火勢が強くなって、品物を持出すどころではなく、危くすると命にも拘りそうになったので、彼は兎も角も友人の家に落着いて何よりも先ず、痛みを感じる程に、カラカラに渇いた喉を、コップに何杯も何杯もお代りをして、湿したのだった。
が、ふと気がつくと、妙子の姿が見えない。
たしかに一度は彼女の走っているのを見かけたのだが、そして、彼女は、北川氏がこの友人の家へ避難したことは当然知っている筈だが、どうしたものか姿を見せなかった。
そうして、友人の家との二三町の間を二回往復すると、もう火勢が強くなって、品物を持出すどころではなく、危くすると命にも拘りそうになったので、彼は兎も角も友人の家に落着いて何よりも先ず、痛みを感じる程に、カラカラに渇いた喉を、コップに何杯も何杯もお代りをして、湿したのだった。
が、ふと気がつくと、妙子の姿が見えない。
たしかに一度は彼女の走っているのを見かけたのだが、そして、彼女は、北川氏がこの友人の家へ避難したことは当然知っている筈だが、どうしたものか姿を見せなかった。