この中には、野本君、その男の――越野が火事場で出逢った男の――妙子を無残に焼殺した男の――而かも、其の妙子が以前からずっと愛しつづけていた男の――写真が守り本尊の様にはりつけてあったのだよ。
併し、若し、これが妙子が娘時代にその男の写真をはりつけて置いたまま、打忘れていたとでもいうのなら、まだしも、現に、彼女は僕と結婚した当座、確かにこの中へは僕の写真を貼りつけていたのだからな。
それがいつの間にか、その男の写真と代っていたというのは、これは一体何を語るものだろう」
この中には、野本君、その男の――越野が火事場で出逢った男の――妙子を無残に焼殺した男の――而かも、其の妙子が以前からずっと愛しつづけていた男の――写真が守り本尊の様にはりつけてあったのだよ。
併し、若し、これが妙子が娘時代にその男の写真をはりつけて置いたまま、打忘れていたとでもいうのなら、まだしも、現に、彼女は僕と結婚した当座、確かにこの中へは僕の写真を貼りつけていたのだからな。
それがいつの間にか、その男の写真と代っていたというのは、これは一体何を語るものだろう」