随分よごれていたけれど、丁度、印を縫いつけた所が、外側に出ていたので、一目で分った。
それは兄貴とおれの外には、だれも持っているはずのない品物だった。
親父は古風に、ハンカチを嫌って、手ぬぐいをたたんで懐に入れているくせだったし、母親や妹は、ハンカチは持つけれど、無論女持の小さい奴で、まるで違っていた。
随分よごれていたけれど、丁度、印を縫いつけた所が、外側に出ていたので、一目で分った。
それは兄貴とおれの外には、だれも持っているはずのない品物だった。
親父は古風に、ハンカチを嫌って、手ぬぐいをたたんで懐に入れているくせだったし、母親や妹は、ハンカチは持つけれど、無論女持の小さい奴で、まるで違っていた。