第二は、これは少し突飛な想像かも知れないが、賊が何かにぶら下るか、それとも綱渡りでもするか、兎に角足跡のつかぬ方法で現場へやって来たという解釈、第三は伯父さんか牧田かが賊の足跡を踏み消して了ったという解釈、第四は偶然賊の履物と伯父さん又は牧田の履物と同じだったという解釈、この四つは現場を綿密に検べて見たら分る事柄だ。
それから第五は、賊が現場へ来なかった、つまり伯父さんが何かの必要から独芝居を演じたのだという解釈、第六は牧田と賊とが同一人物だったという解釈、この六つだ。
僕は兎も角現場を検べて見る必要を感じたので、あの翌朝早速T原へ行って見た。