そして、彼が長座を詫びて部屋を出て行った時には、平田氏は無理に打明け話をさせられたことを不快に感じていなかったばかりか、その青年がどうやらたのもしくさえ思われたのである。
それから十日程は別段のこともなく過去った。
平田氏はもうこの土地にも懲りていたけれど、足の傷がまだ痛むのと、それを無理に帰京して淋しい邸へ帰るよりは、この賑かな宿屋住いの方がいくらか居心地がよかろうと思ったのとで、ずっと滞在を続けていた。
そして、彼が長座を詫びて部屋を出て行った時には、平田氏は無理に打明け話をさせられたことを不快に感じていなかったばかりか、その青年がどうやらたのもしくさえ思われたのである。
それから十日程は別段のこともなく過去った。
平田氏はもうこの土地にも懲りていたけれど、足の傷がまだ痛むのと、それを無理に帰京して淋しい邸へ帰るよりは、この賑かな宿屋住いの方がいくらか居心地がよかろうと思ったのとで、ずっと滞在を続けていた。