賊は、せまいひたい、クシャクシャと不ぞろいな短いまゆ、その下にギョロッと光っているどんぐりまなこ、ひしゃげた鼻、しまりのない厚ぼったいくちびる、まったく利口そうなところの感じられない、野蛮人のような、異様な相好でした。
先にもいうとおり、この賊はいくつとなくちがった顔を持っていて、ときに応じて老人にも、青年にも、女にさえも化けるという怪物ですから、世間一般にはもちろん、警察の係官たちにも、そのほんとうの容ぼうは少しもわかっていなかったのです。
それにしても、これはまあ、なんてみにくい顔をしているのだろう。