いくら見まわしても、黒装束の男など、どこにもいやしないのです。
老人は少しきまりが悪くなって、無言のままもとの姿勢にもどり、また耳をすましましたが、するとさっきと同じように、頭の中がスーッとからっぽになって、目の前にもやがむらがりはじめるのです。
そのもやが少しずつ濃くなって、やがて、黒雲のようにまっくらになってしまうと、からだが深い深い地の底へでも落ちこんでいくような気持がして、老人は、いつしかウトウトとねむってしまいました。
いくら見まわしても、黒装束の男など、どこにもいやしないのです。
老人は少しきまりが悪くなって、無言のままもとの姿勢にもどり、また耳をすましましたが、するとさっきと同じように、頭の中がスーッとからっぽになって、目の前にもやがむらがりはじめるのです。
そのもやが少しずつ濃くなって、やがて、黒雲のようにまっくらになってしまうと、からだが深い深い地の底へでも落ちこんでいくような気持がして、老人は、いつしかウトウトとねむってしまいました。