今まで低くたれていた首を、ムクムクともたげて、顔いちめんの無精ひげの中から、するどい目を光らせて、目の前の明智探偵の家を、ジロジロとながめまわすのです。
明智探偵は、その日午前中は、どこかへ出かけていましたが、三時間ほどで帰宅すると、往来からそんな乞食が見はっているのを、知ってか知らずにか、表に面した二階の書斎で、机に向かって、しきりに何か書きものをしています。
その位置が窓のすぐ近くなものですから、乞食のところから、明智の一挙一動が、手にとるように見えるのです。
今まで低くたれていた首を、ムクムクともたげて、顔いちめんの無精ひげの中から、するどい目を光らせて、目の前の明智探偵の家を、ジロジロとながめまわすのです。
明智探偵は、その日午前中は、どこかへ出かけていましたが、三時間ほどで帰宅すると、往来からそんな乞食が見はっているのを、知ってか知らずにか、表に面した二階の書斎で、机に向かって、しきりに何か書きものをしています。
その位置が窓のすぐ近くなものですから、乞食のところから、明智の一挙一動が、手にとるように見えるのです。