かねて心に定めて置いた通り、川手氏は急いでそこを出ると、音のせぬように、廊下の端の雨戸の枢をはずし、ソッと引き開けて、真暗な庭の声のしたと思われる箇所へ手燭をさしつけた。
だが、恐らくは今の間に逃げ失せてしまったのであろう。
そこには一むらの南天が黒く押黙っているばかりで、人らしい物の影はなかった。
かねて心に定めて置いた通り、川手氏は急いでそこを出ると、音のせぬように、廊下の端の雨戸の枢をはずし、ソッと引き開けて、真暗な庭の声のしたと思われる箇所へ手燭をさしつけた。
だが、恐らくは今の間に逃げ失せてしまったのであろう。
そこには一むらの南天が黒く押黙っているばかりで、人らしい物の影はなかった。