北園竜子の写真を手に入れる事、彼女の戸籍簿を調べる事、三島駅前の運送店に張り込みをする事という、中村捜査係長の三つの捜査方針は、戸籍簿を除いては全く失敗に終った。
刑事を八方に走らせ、竜子の知人という知人を訪ねて、写真を探し求めたけれど、流石に殺人鬼は用心深く、どの知人の手元にも一葉の古写真さえ保存されていなかった。
また三島駅前の張り込みは、少しの抜かりもなく行われたが、運賃前払いの十数箇の荷物は、運送店の倉庫に積み上げられたまま、受取人の姿はいつまでたっても現われず、三島駅にそれらしい人物の下車した様子もなかった。