それに、埋められた位置も割合に浅く、土と落葉の混ったようなもので蔽われていたのですから、川手氏は棺の中でも、辛うじて呼吸をつづけることが出来たのです。
しかし、ただ息が出来るというだけで、食いものは無論なく、厳重に釘づけにされた厚い板の中で、殆んど身動きも出来ず、飢餓と迫って来る死の恐怖とのために、可哀想に川手氏は髪の毛がすっかり白くなっていた程です。
僕がどうして川手さんの埋められている場所を発見したかというと、若しやそんなことではないかと、予め想像していたので、庭の林の中なども念入りに歩き廻って見たからです。