詰襟金釦の服を着て、林檎のような可愛い頬に、利口そうな目を輝かせながら、人々に一礼すると、ツカツカと明智の側に進みより、何か二言三言ささやいたが、明智の肯くのを見ると、入口に向って「お入り」と声をかけた。
すると、ドヤドヤと足音がして、二人の屈強な青年に、両方から抱えられるようにして、後手に縛られた小柄な真黒な人の姿が、部屋の中によろめき込んで来た。
それを一目見るや、宗像博士はギョッとしたように立上り、キョロキョロとあたりを見廻していたが、何を思ったのか、いきなり表の道路に面する窓の方へ走り寄った。