あの夜、廊下の見張り番を勤めていた君は、探偵という保護色によって、誰に疑われることもなく、妙子さんの寝室に忍び込み、そこにいた川手氏を縛り上げ、妙子さんを絞め殺して、その死体をすぐ表庭に運んで、塵芥箱の底へ隠して置いたのだ。
それから夜が明けて、邸内の大捜索が始まってから、君は捜索に参加しているように見せかけて、その実は、コッソリ邸を抜け出し、眼帯の男に化けて、京子と一緒に塵芥車を挽き込んで、死体運び出しの大芝居を演じたという訳だ。
態々註文して作らせた、仕掛けのあるあのベッドは、ただ見せかけの手品の種で、犯罪には全く使用されなかったという点を、僕は非常に面白く思った。