閉館近い夕暮のこと、仏像ばかり並んでいる陳列室を掃除していると、等身大の鍍金仏が、フラフラと彼女の方へ歩いて来る様な幻覚を感じて、テッキリ黄金仮面と思込み、キャッと悲鳴を上げたまま、気を失ってしまったと云うのだ。
それは兎に角、本物の黄金仮面が、三度目の犯罪を企てていることが分ったのは、四月も終りに近いある日のことであった。
それは、どんより曇った、変に蒸し蒸しする、何となく圧えつけられる様な夕方であったが、明智の部屋借りをしている、お茶の水の開化アパートの一室へ、妙な客が訪ねて来た。
閉館近い夕暮のこと、仏像ばかり並んでいる陳列室を掃除していると、等身大の鍍金仏が、フラフラと彼女の方へ歩いて来る様な幻覚を感じて、テッキリ黄金仮面と思込み、キャッと悲鳴を上げたまま、気を失ってしまったと云うのだ。
それは兎に角、本物の黄金仮面が、三度目の犯罪を企てていることが分ったのは、四月も終りに近いある日のことであった。
それは、どんより曇った、変に蒸し蒸しする、何となく圧えつけられる様な夕方であったが、明智の部屋借りをしている、お茶の水の開化アパートの一室へ、妙な客が訪ねて来た。