引続いて、そんなことが毎晩の様に起るので、とうとうお父さまのお耳にも入った、捨てては置けぬと、折檻せぬばかりに聞き訊すのだが、不二子さんは強情に白状しない。
で、最後の手段として、執事の尾形老人が、尾行を命ぜられた。
初めの晩は、不二子さんの行動が実に千変万化を極め、自動車を飛び下りたかと思うと、複雑な露地をグルグル廻って、飛んでもない場所から、又自動車に乗り換えるといった調子で、とうとう中途で見失ってしまったが、次の晩(と云うのは昨夜のことだが)は、今度こそと意気込んだ甲斐あって、おしまいまで尾行を続けることが出来た。