賊は逃げたのではなくて、煙の様に消えてしまったからである。
室内で消えたのなら、どこかに隠し戸がある筈故、明智ともあろうものが、それを発見し得ぬ道理はないのだが、賊が消えたのは、室内ではなくて、昼間の様な月光に照らし出された、樹木も何もない平坦な地面に於てであった。
彼はお伽噺の悪魔の様に、地面へめり込んでしまったのだ。
賊は逃げたのではなくて、煙の様に消えてしまったからである。
室内で消えたのなら、どこかに隠し戸がある筈故、明智ともあろうものが、それを発見し得ぬ道理はないのだが、賊が消えたのは、室内ではなくて、昼間の様な月光に照らし出された、樹木も何もない平坦な地面に於てであった。
彼はお伽噺の悪魔の様に、地面へめり込んでしまったのだ。