警部は少将に、それらの金製品の中、高価という外に、何か特別の値打を持ったものはなかったかと尋ねた。
だが、少将は別にそういう心当りもないと答えた。
ただ、金製万年筆は、彼がある師団の聯隊長を勤めていた頃、同じ隊に属していられた、高貴のお方から拝領したもので、少将に取っては金銭に替え難い値打ちがあったのと、金製置時計は、二寸四方位の小さなものだけれど、洋行記念に親しく巴里で買って帰ったので、あんな精巧な機械は二度と手に入らぬと、惜まれる位のことであった。
警部は少将に、それらの金製品の中、高価という外に、何か特別の値打を持ったものはなかったかと尋ねた。
だが、少将は別にそういう心当りもないと答えた。
ただ、金製万年筆は、彼がある師団の聯隊長を勤めていた頃、同じ隊に属していられた、高貴のお方から拝領したもので、少将に取っては金銭に替え難い値打ちがあったのと、金製置時計は、二寸四方位の小さなものだけれど、洋行記念に親しく巴里で買って帰ったので、あんな精巧な機械は二度と手に入らぬと、惜まれる位のことであった。