弘一君の語る所によると、警察では、あれから例の古井戸を浚って見たり、足跡の靴足袋と同じ品を売った店を検べたりしたが、古井戸の底からは何も出ず、靴足袋はごくありふれた品で、どこの足袋屋でも日に何足と売っていることが分った。
つまり何の得る所もなかった訳である。
波多野警部は、被害者の父が陸軍省の重要な人物なので、土地の有力者として敬意を表し、度々弘一君の病室を見舞い、弘一君が犯罪捜査に興味を持っていることが分ると、捜査の状況を逐一話して聞かせてさえくれたのである。
弘一君の語る所によると、警察では、あれから例の古井戸を浚って見たり、足跡の靴足袋と同じ品を売った店を検べたりしたが、古井戸の底からは何も出ず、靴足袋はごくありふれた品で、どこの足袋屋でも日に何足と売っていることが分った。
つまり何の得る所もなかった訳である。
波多野警部は、被害者の父が陸軍省の重要な人物なので、土地の有力者として敬意を表し、度々弘一君の病室を見舞い、弘一君が犯罪捜査に興味を持っていることが分ると、捜査の状況を逐一話して聞かせてさえくれたのである。