「実はね、甲田君がとうとうアリバイを申立てたのですよ、僕はある事情で係りの予審判事と懇意でしてね、世間のまだ知らないことを知っているのです。
甲田君はピストルの音を聞いた時、廊下にいたというのも、その前に玄関へ頬を冷しに出たというのも、皆嘘なんだそうです。
なぜそんな嘘をついたかというと、あの時甲田君は、泥棒よりももっと恥しいことを――志摩子さんの日記帳を盗み読みしていたからなんです。
「実はね、甲田君がとうとうアリバイを申立てたのですよ、僕はある事情で係りの予審判事と懇意でしてね、世間のまだ知らないことを知っているのです。
甲田君はピストルの音を聞いた時、廊下にいたというのも、その前に玄関へ頬を冷しに出たというのも、皆嘘なんだそうです。
なぜそんな嘘をついたかというと、あの時甲田君は、泥棒よりももっと恥しいことを――志摩子さんの日記帳を盗み読みしていたからなんです。