わしはあんまりよすぎて、いっそ勿体ない様な、空恐ろしい様な気持さえした。
あれはいつであったか、何でも結婚してから一年以上もたった時分だと思うが、川村と二人切で、例によって女について論じあっていた時、わしが一年以前とは、まるでうらはらに、女性を褒めそやすものだから、川村はたじたじとなって、何ぜか少し陰気な顔をしながら、
「君は本当に善人だよ」
わしはあんまりよすぎて、いっそ勿体ない様な、空恐ろしい様な気持さえした。
あれはいつであったか、何でも結婚してから一年以上もたった時分だと思うが、川村と二人切で、例によって女について論じあっていた時、わしが一年以前とは、まるでうらはらに、女性を褒めそやすものだから、川村はたじたじとなって、何ぜか少し陰気な顔をしながら、
「君は本当に善人だよ」